恋というには服が邪魔をする

寂れた駅から、徒歩十分圏内にある潰れた居酒屋の駐車場らしい、場所で俺は車を停めている。ナビシートから跨ぐ格好でユウコは俺の股ぐらの間で顔を上下にシェイクしている。大きく開いたシャツの胸元に手をさしいれ弾力のある胸を揉みしだきながら、俺はあらためてユウコを見た。格別に可愛いという程じゃないが、連れて歩くには何ら問題ないレベルだと思う。
気付くと俺は付き合わない? と、言っていた。
黙殺。
予想通りの反応に俺は落胆も悲観もしなかった。だから俺はシートに預けていた身体を横にずらし、スリットの入ったスカートの奥に潜む黒い布に手を伸ばした。あと数センチのところでユウコが俺の手を掴み睨みつける。
「嫌なんだよね。分ってもらえないと思うんだけど、私の中では一線を引いてるんだよ」

幾千の言葉で埋めようとも、ハイブランドの服を着ても、化粧で塗り固めても、無かったことになんて出来ないんだよ、お嬢さん。
分るよ。そう言って、俺はシャツを胸元まで捲くり上げ、視線を胸へと移した。


俺だって他人事じゃない。