2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

黄昏ゆく街

「偶然なんだ」 俺はやや動揺していた。一年も前に足しげく通ったアパートの前で、訝しげな表情を浮かべるでもなく、心底興味無さそうな感じで、彼女は次の俺の言葉を待っていた。「彼氏?」 「ではない。でも優しくしてくれる」 「そう」 「うん。今日は部…

良薬。

黒いスーツに袖を通し、姿見に全身を映す。 普段、着慣れていないだけに滑稽なように思えたが、しゃんとして見えないこともなかった。それは黒のスーツを着るという意味合いが、そう感じさせるのかもしれない。時計を見ると時刻は午後七時を指していた。そろ…

「蒐集」

黄色ばかりで引きは強いのだけど、何故に三枚も同じっ!

book

虹ヶ原 ホログラフ作者: 浅野いにお出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2006/07/26メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 185回この商品を含むブログ (362件) を見る いっちゃてる人達(或るいは何処にでも居てそうな)が交錯する話です。 あちこち展開がブレ…

キミの住む街

犬森さん。

ポカミスだな。 課長の顔がこれでもか、というぐらい歪んでいる。 何か言いたいことはあるかね。と、課長は苦々しく言った。 あるわけがない。何の言い訳も説明もしようがないミスだった。すみませんでした。僕は頭垂れて手元の書類に目を落とした。 机に肘…

ドロップ

十四日ぶりの休日の目覚めはフライングニードロップからだった。 悶絶し、呻き声すらでないでいる僕に二撃目のドロップキックが背中に炸裂した。 一体、何だっていうんだ。襲撃犯が何かを言っている。その声を僕は知っている。いや、最初から分かっている事…

夜の海

漆黒の空を見上げ、俺は大きく伸びをした。 約束の時は数分後に迫っているがユウコの姿はまだ見えない。 まあ、いつもの事だ。と、さしたる感情の揺れもなく俺は煙草に火をつける。ユウコと会うのは今回で三回目になるが、どれもまともに来た試しは無かった…

池の鎖

池があった。僕が生まれる前よりも、聞けば親父が生まれた時から街にあった池。 そんなに大きな池ではない。ぐるりと徒歩で廻って十と三分。その池が都市開発の波に呑まれ、住宅地になることになった。約、一年少々で工事が終わり、拓けた土地にはあっという…

蒐集

久々のマスターパック。

息子

今日は子供の入学式でした。 家から歩くこと二十分。なに、この苦行。めっさ疲れたんですけど。それで二クラスしかない過疎っぷり。今はこれが普通みたいですけどね。俺が小学生の時は六クラスあったけどな。中学の時は十二クラスとかだったし。 そういうこ…

book「Story  Seller2」

七人の作家によるアンソロジー。 前回と違うのは道尾秀介氏が外れ、沢木耕太郎氏が参加しております。とりたてて目新しい発見は今回はありませんでした。個人的には伊坂先生と有川先生ぐらいかな。 どうでもいい蛇足ですが、伊坂先生の合コンの話に出てくる…

どくどく

バラまきの民主に懐肥やしの自民。どっちもどっちですが、間違いなく景気回復は望めませんね。子供手当ては有り難いですが、納税者対象にしていただきたいものです。ここは日本だろ?外国人選挙権には断固、反対です。ここは日本だろ?

蒐集

本日の引き当て

春よ

ベイブレ人気て凄いですね。今日限り、新機三台入荷。先着八十名様、一人一個。と、いうフレーズにはめられてオープン前から行かされる罠。並んでましたねえ、朝の早くから。正直、ナメてました。整理券が配られ、さしたる混乱は無かったんですが、後から後…