time is my side

何をやっても上手くいかない日というのはあるもので。そんな日は大体に措いて目覚めた時から、自分を取り巻く何かが違うものだ。

この日もそうだった。見慣れた光景に違和感を感じ、通い慣れた道を蹴る4輪のタイヤの感触に異質さを覚えた。

いつも見かける自転車に乗ったキミもいない。時間も計ったように、いつも通りなのに。

何ひとつとて変わる事ない日常は軸を狂わせてしまっている。「ついてない」。そう片付けてしまうのは簡単だ。

ある人は「魔の日」と呼んでいた。こんな日は静かに嵐が過ぎ去るのを待つしかない。これから待ち受けるであろう受難を思い、AM7:45分。僕は一回目の溜め息をついた。



PM18:49分。

新聞の折込み広告で見た、発泡酒を特売りしているスーパーに寄って帰る事にする。

売り切れです。死刑宣告にも似た、およそ感情のこもらぬ一言に軽く殺意を覚えるも正規の値段で買う。馬鹿馬鹿しい。

店の出口に笹があった。見れば子供の筆跡で書いた短冊が所狭しとくくられていた。

天の川に届く前に流れてしまいそうな蚯蚓が這った字は希望の託宣に今日は七夕だったと思い出す。

透けて見失いそうな未だ見ぬ貴方に僕はいつか出会えるのだろうか。