堕落

サイドボードの上に散乱するビールの空き缶と
山となった吸い尽くされた吸殻が昨夜の残骸


今だアルコールから覚めていない思考でぼんやりと眺める
部屋からは退廃じみた匂いが立ち込めていて
4個ある置き時計は てんでバラバラな時間を刻んでいる


シンクの引き戸から半透明のビニールを出し空き缶に吸殻を無造作に放りこんで換気扇を回す

パイプベッドに腰をおろすと軋みをあげる
澱んだ空気が動きだしている
ブラインドからは外の光が漏れて近所の子供達が騒いでいる声も聞こえる


煙草に火をつけ ゆっくりと吐きだす

さて コレはどうしたもんかな



足元に見える パイプベッドの下から伸びる生気の失った細い手